ソネ

本流を奏で続ける、神戸ジャズ文化の中心。

日本のジャズ発祥の地と言われる街、神戸。大通りから路地裏まで、この街には夜にジャズが奏でられるバーが点在しています。そしてその中でも草分け的存在として知られ、神戸のジャズ文化の中心として長い間ファンに愛されている店がソネです。三宮駅から異人館街に向かう北野坂の途中、やや落ち着いた街並みに差し掛かったあたりに店があります。
世界にとっても日本にとっても、ある時代の終焉や新しい時代の幕開けとなる重大な出来事が多かった1969年、神戸では、とある旅館がジャズバーとして改築され、ソネが産声を上げました。以来半世紀近くの時が経ちますが、今も昔も変わらず神戸のジャズの本流であり続ける名店なのです。

1969年に誕生し、神戸のジャズ文化の中心として長い間ファンに愛されているジャズバー「ソネ」。

開業以来、「北野坂」の麓に店を構える。

カジュアルな雰囲気が素敵。

常にトラディショナルであり、なおかつ常に新しい。

世の中に時とともに変わってゆくものと、時を経ても変わらないものがあるとしたら、ソネにはその両方があります。何事も急ぎ足で過ぎてゆく今の時代、都会の喧騒の中にありながらも、常にトラディショナルであり、なおかつ常に新しい。ホールに満ちる雰囲気は唯一無二のもので、この店でしか味わえないオーセンティックな楽しさが魅力です。
石貼りと特徴あるテント、それからなんとも言えないくらいジャストサイズで店の顔になっているネオンサイン。店構えは北野坂の街並みにふさわしく、かといってレトロチックでもない、上手く言えないですがホッとするお洒落さというか。

堅苦しくもなく、緩めすぎでもなく。ちょうど良いオシャレ感がソネの素晴らしいところ。

ソネの玄関ポーチ部分。

外壁にはステンドグラスの丸窓。

美味しいお酒とともに、心からジャズを楽しむ。

ドアを開けると中には想像以上に広いホールがあります。長いカウンターがあり、物静かなマスターが迎えてくれます。店内はアンティークにモダンを混ぜ合わせたような空気感。神戸の街並みをぎゅっと凝縮させたような居心地の良い空間です。調度品や煉瓦の壁、存在感のある梁など、トランジスタラジオみたいに味のあるそれぞれには、年季とともに数々の名演奏で奏でられた音の分子が刻み込まれているようです。ほんとに心地よい空間。いつも、ソネのテーブルについて最初の一杯を頼むと、いくつか抱えてるどうでもいいことをどっさりと投げ捨て、あとは素敵なジャズに身を任せます。
ソネでは休みなく毎日4ステージ、関西で活躍するジャズアーティストのライブが楽しめます。200人ほどは入りそうな広い店内、常連さんも一見さんも、美味しいお酒とともに心からジャズを楽しみます。生演奏で身体に伝わる振動に反応するように、いつしか脳内から発せられるのはスイングの信号。自然と身体は音に乗り、ジャズを格好のおつまみにお酒も進みます。自己満足的ないろいろな考察を楽しんだり、ポジティブな発想を楽しんだり、やっぱり音楽とお酒ってとても元気にさせてくれます。

photo_by_MasahikoOHKUBO_CC_BY_2.0_from_flickr.com

毎日4ステージの関西で活躍するジャズアーティストのライブと、お酒や食事が楽しめる。

日曜に人気の、「昼下がりのジャズライブ」。

最初に訪ねてから久しいですが、今も年に数回は神戸の夜をソネで過ごします。店を出てもなかなか身体から抜けないアルコールと音楽。ソネの余韻は家に帰っても体内にとどまり、ささやかな興奮のまま眠りにつくのが病みつきです。
客層はとても高め。本当にジャズが、そしてソネが好きな人々が毎夜集うのです。でもソネのいいところは、かといって敷居が高すぎないこと。料金も良心的ですし、日曜には「昼下がりのジャズライブ」と題して、1000円で昼のライブが催されています。まさに贅沢な昼餐。ラジオでは月一回の生放送がソネから発信されていたり、神戸ジャズの象徴として、これからもずっとたくさんの人達に愛され続けるのだと思います。

料金も良心的だし、日曜には「昼下がりのジャズライブ」と題した1,000円の昼ライブも。

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