府立中之島図書館
ふりつなかのしまとしょかん □大阪府大阪市
風格の名建築で、時代の余韻を読む。
長らくそこに図書館があることを知りながら、なぜか訪ねる機会のなかった府立中之島図書館。大阪市役所のすぐ東隣、さらに東の大阪市中央公会堂との間に挟まれるように建っています。
1904年に「大阪図書館」として開館した歴史ある図書館で、のちに「大阪府立中之島図書館」に改称されました。でも正面玄関の上には、今も右から左に大きく「館書図阪大」の文字。戦時空襲も生き抜いてきた建物の、刻まれた歴史とプライドを物語っています。
明治37年に竣工した建物は、当初から図書館として建設された。古代ギリシャの神殿を想起させる壮麗な外観。
明治37年に建てられた、ネオ・バロック式の建物。
初めて訪れた時、その正面に建って見た中之島図書館は、衝撃的なくらい美しい建物でした。新しくもなく、華美に装うようでもなく。明治37年に建てられたネオ・バロック式の建物は、書物を預かるという使命に没頭し、時間と風雨にさらされた外観は渋い風格を纏っています。煉瓦と石を用いた造りで、正面にはコリント式の円柱がならび、それはギリシアの神殿やローマのパンテオンを想起させる外観。3層の上には銅製のドームが乗っかるのが特徴的です。大理石みたいな光沢は一切なく、落ち着いた石の建物全体がマット調。静かで大人びた佇まいは、多くの本好きの人々の趣向と迎合しているように感じます。
円形のメインホールには、カーブした壁面に合わせるように階段が設けられている。
正面玄関上には右書きで「大阪図書館」。
ホールの天井はドーム型で、天窓から光を取り込む。
なんとも言えない、図書館独特の痛快な静けさ。
建物内も同じ。時を経た石から染み出る独特の冷たい空気と、くぐもったような匂い。蛍光色の照明が少しだけのメインホール。頭上には丸くぽっかりとドームの裏側。ノスタルジックな空間には、薄暗い明かりがよく似合っています。木の階段を上ると一歩一歩違う軋み音がして、時の階段を歩くような不思議な感覚。
書庫には古い本の、あの図書館独特の匂い。そしてなんとも言えない、あの図書館独特の痛快な静けさ。借りる本の品定めをするために、本棚から数冊取り出しては長机で流し読みをしていると、なぜか読書の静寂に気持ちが落ち着いてゆきます。それも図書館独特の不思議な罠。なんというか図書館にまつわるそんなものが、ものの見事に揃った図書館でした。
館内には書庫以外の見どころも多い。写真は「大大阪時代」の面影が残る3階の「記念室」。
ホールの壁は柱で八分割され、窓や調度品が設えられている。
2階から見下ろしたホール。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 府立中之島図書館 |
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所在地 | 大阪府大阪市北区 |
問い合わせ先 | 06-6203-0474 | 大阪府立中之島図書館 |
休業日 | 日曜日、祝日、第2木曜日 |
料金 | - |
駐車場 | 周辺有料駐車場 |
公式サイト | http://www.library.pref.osaka.jp/site/nakato/ |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/大阪府立中之島図書館 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298566-d1407242-Reviews-Osaka_Prefecture_Library-Osaka_Osaka_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 201908 |
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