布引五本松ダム
ぬのびきごほんまつだむ □兵庫県神戸市
国の重要文化財でもある、日本最初の本格的ダム。
六甲山に抱かれ、名水百選にも指定された布引渓流。神戸の街から一歩山手に入るだけで渓流に育まれた豊かな自然があり、美しい布引の滝がそのシンボルとして多くの観光客を集めています。野鳥のさえずり、煌めく木漏れ日、木陰には滝から流れ出すマイナスイオンが揺らぎ、都心からすぐにある水と緑の楽園です。
その布引の滝からもう少しだけ山へ入ると、突然大きな石積みの壁が現れます。一本道の坂はその脇をジグザクに続き、上りきるとそこには広い池があり、その壁はダムであることが分かります。布引五本松ダムといい、実は周辺の水道施設と合わせて国の重要文化財に指定されている歴史あるダムなのです。
神戸の最都心・三宮からわずか約2kmのところにある「布引五本松ダム」。神戸という街がいかに山に近いかが分かる。
機能だけを追求した現代のダムとは、一線を画す趣き。
布引ダムが建造されたのは明治時代の1900年。日本最初の本格的なコンクリートダムで、神戸の水道を整備する目的で造られました。高さ33.3m、幅110.3m。建造された時代を物語るように、古典的な雰囲気が漂います。
ダムというと普通、無機質に大きくのっぺりとしたコンクリートの塊を想像します。でも布引ダムには明治時代に建造された当時の美意識や技術が刻み込まれていて、堰堤にも表情があり、回りの自然に溶け込むように存在しています。壁面はコンクリートの打ち放しではなく、石積で覆われています。また随所にヨーロッパの城壁に見られるような装飾がほどこされ、ただ機能だけを追求した現代のダムとは一線を画します。
日本最初の本格的なコンクリートダムで、国の重要文化財に指定されている。
布引ロープウェイから見た布引五本松ダム。
山々の緑もまた美しい。
120年以上経った今も、神戸の水瓶として役目を担う。
古いと言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、それでも布引ダムは遺産ではなく、今も現役で利用されているダムです。建造時と同じく、もう120年以上も神戸の水瓶として大役を果たしているのです。
六甲の山並みが色づく晩秋、麓から歩いて訪ねました。布引ダムの周辺は、紅葉した木々が堰堤を抱き込むように枝葉を伸ばしています。ジグザグの坂道には一本の木が印象的。坂を上がるとダム湖である布引貯水池があり、池をふちどる小道に沿って鮮やかな紅葉が連なっています。波ひとつない水面はそれを映し込み、色づいた景色を二倍にして視界を埋めてくれます。澄みきった秋空が心地よく、彩られた葉を照らす日差しも暖かい一日でした。
1900年の建造以来120年以上が経つが、今も神戸の水道用水の貯水池として機能している。
ダム周辺では秋に美しい紅葉が見られる。
ダムのシルエットに紅葉と秋空が重なる。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 布引五本松ダム |
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所在地 | 兵庫県神戸市中央区葺合町 |
問い合わせ先 | 078-322-5871 | 神戸市水道局 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | なし |
公式サイト | https://www.city.kobe.lg.jp/a83166/kanko/bunka/bunkazai/history/isan/nunobikidam.html |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/布引五本松ダム |
食べログ | - |
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