今津灯台
いまづとうだい □兵庫県西宮市
過ぎし日の町の面影を、一身に引き受けた灯台。
西宮市南部の海沿いの町、今津の海岸にある小さな灯台。こぢんまりとしたヨットハーバーの先端に、時を越えてひっそりと佇んでいます。昔から対岸の道を走ることが多くあり、向こう岸に小さな灯台があるのを車窓から見ていましたが、最初に気づいてから14年も経って初めてその足元まで行ってみました。
今津灯台は正式には「大関酒造今津灯台」といい、私有の灯台です。1810年、後にあのワンカップで有名になる大関酒造が社費を投じて今津港に建てた灯台なのです。高さ6.7mの灯籠型の木造灯台で、何度かの修理を経た今も当初の意匠が守られています。今は電化され、夜になると緑色の光を小さな港に投げ掛けていますが、灘の酒を運ぶ樽廻船が往来いていた昔は、毎夕になれば油を注いで火を付けていたそうです。
正式には「大関酒造今津灯台」といい、私設の灯台。1810年に建てられた。
高さ6.7mで灯籠型の木造灯台。
海上の神・金刀比羅宮から分灯されたため「象頭山」と書かれている。
現在も実働している灯台として日本最古。
均整のとれたシルエットが印象深い。
役目を終えた灯台、それでも小さな光を放つ灯台。
当時は港の出入口に立っていたのでしょうが、時代は流れ、開発や埋め立てが進みました。周辺には野球場、マンション、ヨットハーバー、高速道路などがあって、今は海岸線や周囲の環境が全く変わってしまった今津では、唯一昔の面影を伝えている存在です。
その日の夕刻、訪れる人は他におらず、今津灯台は忘れられたようにひとり静かに立っていました。かつて海を行き交う船に安全の灯火を放った光は小さくなり、今は当時の面影を伝えるのみ。役目を終えた灯台、それでも小さな光を放つ灯台には、どこか寂しげな表情があります。夕暮れに浮き上がったシルエットも、黄昏に憂いを浮かべて在りし日を懐かしんでいるような風情。黒塗りの灯台はその色をより濃くして、一足早く夜を迎える準備をしていました。
NEWS! | 今津灯台は2024年に、市の防災計画により約160メートル南西に位置する西宮市今津真砂町の対岸に移された。 |
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今は海岸線や周囲の環境が全く変わってしまった今津では、唯一昔の面影を伝えている存在。
忘れられたようにひとり静かに立っている。
水門と並んで美しいシルエット。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 今津灯台 |
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所在地 | 兵庫県西宮市今津西浜町 |
問い合わせ先 | 0798-32-2011 | 大関(株) |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | なし |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/今津灯台 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022819-d12981680-Reviews-Imazu_Lighthouse-Nishinomiya_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 201103 |
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