岡田屋・伊勢うどん

伊勢でしか味わえない、極太もちもちうどんの名店。

伊勢神宮へ続くおはらい町通りにある伊勢うどん店。いつも行列ができている人気店です。伊勢うどん独特の、一本一本がとても太く、ふわふわ、もちっとした麺を存分に味わえます。
外観は歴史ある町並みに溶け込む風格ある佇まい、暖簾をくぐり入口の引戸を開けると、思ったより狭い店内。3つの小さな座敷と、いくつかのテーブル席があります。壁にはたくさんの色紙が飾られてあり、テレビなどでもよく紹介されているようです。
注文したのは、卵入伊勢うどん。熱々のうどんに、卵をポンと割り入れ軽くかき混ぜたもの。ほぼ醤油そのままの色をした濃い目のタレの中へ、卵のほのかな甘味が混じり合ってゆき、濃密な旨味が極太うどんを包みます。そのタレをたっぷり吸った麺は、噛めばふわっとしたエアイン食感。なんど食べてもそのオリジナリティーには脱帽です。

おはらい町通りにある伊勢うどん店で、いつも行列ができている。歴史ある町並みに溶け込む風格の外観。

高知産のカツオ節でとったダシと、たまり醤油。

高知産のカツオ節でとったダシにたまり醤油を加えたタレは、1日寝かせてとろみを出しているとのこと。うどんに大変よく絡むし、唯一の薬味として入るネギを忘れずに引き上げてくれます。その色と同様に深い味で、麺のぼんやり具合とキリリと引き締まったタレが絶妙に合います。
伊勢うどんと言えば、伊勢市とその周辺の限られた狭いエリアで食べられる日常食的メニュー。その柔らかさゆえ、地元の人々の離乳食としても食べられているそうです。経験から思うと、そんな伊勢うどんの極めてスタンダードなものを食べられるお店という感じ。さらに岡田屋には鍋焼きやカレー味の伊勢うどんもあったり、中華そばや丼物メニューも充実したり、なかなか使い勝手のいいお店でもあります。

店の自慢は高知産のカツオ節でとったダシとたまり醤油がブレンドされたタレ。柔らかく太い伊勢うどんによく合う。

店を出れば、目の前の道は内宮への参道。

さて店を出れば目の前の道は内宮参道。参詣客で溢れかえるおはらい町通り。冬支度の季節に珍しく暖かい日差しが、通りを埋める人々を照らします。神に近いこの場所はたくさんの人間が集まっても、都会の雑踏とは違う種類の賑わいがあります。皆どこか美しい心で、慈愛に満ちたような気持ちで。ここは2000年という途方もなく長い伊勢神宮の歴史に、常に寄り添ってきたいにしえの門前町。人混みを見ていると、今も昔もいつの時代も変わらない、日本人の美しい部分を垣間見れたような気がしました。

岡田屋には鍋焼きやカレー味の伊勢うどんもあり、何度来ても新しい伊勢うどんを楽しめる。

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