清流しまんと号
せいりゅうしまんとごう □高知県四万十市~幡多郡十和村
悠久の四万十を、トロッコ列車が走る。
清流・四万十川に沿うJR予土線を走るトロッコ列車。夏休みやGWなどの一部の連休に運行されていて、ほぼ事前の予約でしか乗ることのできない人気列車です。国内を走る観光用トロッコ列車の元祖とされ、運行が開始されたのは1984年。予土線の土佐大正駅から江川崎駅までの約25kmを、ゆっくりと50分ほどかけて走ります。
予定より少し早く着いた土佐大正駅。持て余した時間、線路に降りてみたり、すぐ目の前にある杉の山を眺めたり。やがてレールを伝わって車輪の音が聞こえてきます。列車が見えないのにレールの継ぎ目を踏むガタゴトという音やブレーキに車輪が軋む音が聞こえるのは不思議な感じがするものです。
清流・四万十川に沿うJR予土線を走るトロッコ列車。緑の山々と青い川の流れ、爽やかな風を感じながら走る。
トロッコ列車の旅は「土佐大正」駅から始まる。
線路は山並みと一体となった風景として美しい。
かつて貨物車であったものを、改造したもの。
そしてカーブを抜け、トロッコを後部に連結した一両編成の気動車が姿を現します。ゆっくりと、もったいぶるように速度を落とし、丁寧に場所を選ぶようにホームに停車した清流しまんと号。乗車券を手渡し、決められたシートに着きます。
トロッコはかつて貨物車であったものを改造したもの。木のシート、木のテーブル、鉄の手摺。どれも使い込まれた渋い光を放っています。窓のないパノラマカー、やがてガタガタガタと車体を震わせ、トロッコは動き始めます。鉄のレールを鉄の車輪が転がる生々しい振動を体に感じます。トロッコ列車の醍醐味。決して乗り心地がいいものではないですが、原始的で武骨なその車体の感触は、どこへ行くのか分からない、冒険心のようなほのかな興奮を呼び醒ましてくれます。
最後尾の赤い反射板から分かるように、トロッコはかつて貨物車であったものを改造した車両。
木のシートとテーブル、窓のない開放感。
テーブルには行程を示したマップがある。
四万十の流れに合わせるように、ゆっくりと進む。
列車は四万十の悠久の流れを見下ろしながら進みます。蛇のようにうねり流れる方角を変える四万十川は、その度に違った風景を見せてくれます。風が吹き抜ける列車の右側に、そして左側に。トンネルを抜ける度に川は左右に位置を変え、列車だけは一直線にその軌道を変えません。幾つものトンネルを抜け、幾つもの鉄橋を渡り、四万十の流れに合わせるようにゆっくりと進みます。
トロッコ列車は心底楽しい乗り物です。時間を贅沢に使って、風と景色と音に心は踊らされ、朗らかな気分で車窓を眺めます。振り返れる速度で流れる景色、自分の感動を確かめながら風景と対話する余裕ー。
幾つものトンネルを抜け、幾つもの鉄橋を渡り、四万十の流れに合わせるようにゆっくりと進む。
四万十川を渡るたびに、川幅が広くなってゆく。
トンネルの向こうは緑の景色。
橋を渡る時の、最後尾からの眺め。
やがてまたトンネルに入った。
まだ体には、その振動の余韻が残っている。
二つの小さな駅に立ち寄って、三つ目の駅が終点です。50分なんてあっという間。トロッコを降りてもまだ体にはその振動の余韻が残っていました。
ちょうど開業25周年にあたる年に乗車しました。記念に配られた25周年記念乗車証、なんの変哲もない一枚の紙切れですが、50分間の素敵な旅の思い出が、ぎゅっと詰め込まれた大切なしるしとなりました。
約50分ほどで終着の「江川崎」駅に到着。まだ体にはトロッコの振動の余韻が残っていた。
四万十川と並行して走る線路。
「江川崎」駅が終着駅。
日が傾き、線路にも印影が濃くなる。
トロッコは1両編成の気動車に連結されている。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 清流しまんと号 |
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所在地 | 高知県四万十市西土佐(土佐大正駅)~高知県幡多郡十和村(江川崎駅) |
問い合わせ先 | 0570-00-4592 | JR四国電話案内センター |
休業日 | 運行日:GW期間、夏休み期間、春・秋の土休日 |
料金 | 乗車券260円(土佐大正駅~十川駅)、540円(土佐大正駅~江川崎駅)、座席指定券310円 |
駐車場 | - |
公式サイト | https://www.jr-shikoku.co.jp/01_trainbus/event_train/simantorokko.html |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/予土線 |
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LAST VISIT | 200909 |
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