三徳山投入堂
みとくさんなげいれどう □鳥取県東伯郡三朝町
断崖絶壁に建つ、宙に浮かぶような奇跡の御堂。
はるか1300年も前、伝承によると706年に開かれたとされる古刹・三徳山三佛寺。標高900mの全山が国の名勝として指定され、その中腹にある投入堂は国宝とされています。切り立った段崖絶壁にへばりつくように建てられた投入堂へは、麓の本堂から険しい山道を歩くこと約40分。岩に打ち込まれた鎖を頼りによじ登るような箇所などもあり、ちょっとした覚悟をして挑まないといけない道のりが待っています。それだけに必死の思いでたどり着いた投入堂を眼前にした時、圧巻の光景はきっと有難い絶景であるはずです。
麓から険しい山道を歩くこと約40分。道中はかなり体力を使う難所もある。
中国かどこかの山深い、仙人の里を歩くような錯覚。
麓には本堂や宝物殿などいくつかの堂宇があり、入山の際はここで受付を済ませてから登ることになります。雨が降れば入山禁止、二人以上でないと入山禁止、靴も登山に耐えうるものかもチェックがあり、その道の険しさが伝わってきます。
本堂裏の朱塗りの宿入橋を渡ると、標高差約200m、距離約700mの道なき道が始まります。木の根が入り組んだ「かずら坂」や「クサリ坂」などの難所が次々に訪れます。途中にはいくつかのお堂が建てられています。そのたびに少しの休憩と一礼をしながら、急勾配を進みます。景色が徐々に眼下に遠くなり、中国かどこかの山深い仙人の里を歩くような錯覚。たどり着いたところにある投入堂もまた、俗世とはかけ離れた世界観を持つお堂でした。
歩き始めてすぐ、宝物殿横の石段脇にある「階段地蔵」。古い石段を用いて作ったのだそう。
岩壁の窪みに、スッポリと収まったお堂。
三佛寺を開山した修験道の開祖・役小角が、麓で建てたお堂を霊力で投げ入れたというのが名前の由来。でも確かに投げ入れでもしないと、こんな場所に建物が建つわけがないと思えるほど、投入堂はトリッキーな場所に建っています。断崖絶壁としか言いようのない岩壁の窪みに、スッポリと収まった建物。平安時代後期の建立とされ、標高470mの目もくらむような空中の舞台で、その不思議なお堂ははるか時を超えて信仰を集めています。
空に浮かぶ投入堂をしばし堪能したあと、麓まで同じ道を戻り、近くにある車道から投入堂を拝むことができる投入堂遥拝所という場所も訪れました。望遠鏡が設置してあるので、さっき間近で見た奇跡をもう一度と覗き込んでみました。照準の合ったレンズの先にさっそく発見、投入堂。あとは肉眼でも見ることができたので、ちょっと得をした気分で、そろそろ夕暮れの迫る山深い里の道を三朝方面へ向かいました。
修験道の開祖・役小角が、麓で建てたお堂を霊力で投げ入れたというのが名前の由来。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 三徳山投入堂 |
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所在地 | 鳥取県東伯郡三朝町三徳1010 |
問い合わせ先 | 0858-43-2666 | 三徳山三佛寺 |
休業日 | 無休 |
料金 | 入山料:400円 |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | http://www.mitokusan.jp/ |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/三仏寺 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1121364-d1508905-Reviews-Mitokusan_Sanbutuji_Temple-Misasa_cho_Tohaku_gun_Tottori_Prefecture_Chugoku.html |
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