諸江屋・落雁

和菓子の街・金沢、花のように可憐な落雁の老舗。

加賀伝統の和菓子作りは、どれも華やか、そして可愛らしいのが特徴。大自然の中にひっそりと咲いた高山植物のように、小さくても確かな存在感のある美しさを見せています。
金沢には和菓子屋がほんとにたくさんあるんですが、落雁で有名なのがにし茶屋街近くにある諸江屋。創業150年以上という老舗です。堂々と佇む古い木造の店舗。店内には古くから伝わる器や落雁の木型や見本帳などが飾られ、歴史を感じる造りです。陳列棚へ一歩進むと、そこには綺麗な落雁がまるで花壇に咲き誇った花々のように並びます。そのまま振袖に散りばめたら、さぞかし美しい柄になりそうな感じ。

隅々まで徹底した、おもてなしの心。

諸江屋の落雁は加賀の餅米から作った粉に、四国の和三盆糖や水飴を加え、型に押して固めたもの。昔ながらの製法で作るさっぱりした甘さが特徴で、一番人気は小さな梅の花を模した「花うさぎ」。ひとつひとつ丁寧に和紙に包まれた可愛らしい落雁です。口に含むとふわっと溶けだし、繊細で上品な甘さが広がります。まさに程よい甘さで、大人から子供まで楽しめます。他にも餡入りの落雁、ココア味の落雁などもあり、それぞれの風味で人気です。
また諸江屋の素敵なところは、パッケージがとても綺麗なこと。落雁は色とりどりの美しい和紙に包まれ、俵や打出の小槌な形をした小箱や、和紙を貼った三段の和箪笥などは、お土産としても喜ばれるこだわりの箱です。隅々まで徹底したおもてなしの心。金沢を代表する和菓子店の、その真髄を見た気がしました。

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