ちむら・とうふちくわ

ふんわり感がたまらない、鳥取名物のちくわ。

鳥取にはとうふちくわという名物があります。その名の通り、とうふが練り込まれたちくわです。因幡藩主の号令のもとに質素な食生活が奨励されていた江戸時代の終わり、ちくわやかまぼこの材料となる魚のすり身に豆腐を混ぜて使ったのが始まりと言われています。その割合は豆腐7割に白身魚3割。普通のちくわよりふわっとした食感とあっさりした味に特徴があります。

ふわふわと柔らかな食感は、食べた瞬間の驚き。

そのとうふちくわの名店、ちむらを訪ねました。古くからの商店街、智頭街道から少し奥に入った住宅街に馴染むように佇む店舗。ドアを開けて中に入るも店員さんが見当たらないのですが、まだ店内の空気が動いている気配がします。ついさっき朝からの作業が終わったばかりのような。呼び出すと女性が現れ、とうふちくわを数本頼みました。
とうふちくわのふわふわと柔らかな食感は、食べた瞬間の驚きです。空気の粒子がたくさん入ったと言うべきか、経験したことのない絶妙な口あたりがやみつきになりそう。とうふの風味が広がったあとに、そこに染み込むように出てくるのはしっかりとした魚の旨味。添加物や保存料なども一切使用しない自然派、食感も味も初めての美味しさで、思わず唸りをあげる一本でした。

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