道後温泉本館
どうごおんせんほんかん □愛媛県松山市
すべてが風流、他の追随を許さない独創的な湯屋。
松山の名湯・道後温泉のシンボル、道後温泉本館。情緒あふれる温泉街の中でもひときわ存在感を放つ建物は、1894年に建てられた三層楼の造りで国の重要文化財にも指定されている貴重な建築です。明治時代の粋を集めたその容貌は、褐色の堂々たる風格を漂わせ町に鎮座しています。有名な話ですが、あの「千と千尋の神隠し」の舞台である「油屋」のモデルになったともいわれ、その独創的な外観は一見してただものではない雰囲気を感じさせます。
道後温泉本館には大浴場「神の湯」と小浴場「霊の湯」の2種類の湯があり、料金によって入り分けられます。
今回は霊の湯を選んで入湯。見事な大理石の壁、大島石と庵治石で設えられた重厚な浴槽に無色透明の澄んだ湯が満たされていて、わずかにぬめりを感じるしっとりとした湯。入浴後には浴衣を着て広間に通され、お茶と愛媛名物の坊っちゃん団子をいただくことができ、風呂上がりに風情ある空間で贅沢に寛げます。歴史の香り漂う畳敷の間で、ふぅと思わず満悦のため息が漏れるひとときです。
名湯・道後温泉のシンボル、道後温泉本館。情緒あふれる温泉街の中でもひときわ存在感を放つ。
日本唯一という、皇室専用の浴室「又新殿」。
また本館の中には日本唯一という皇室専用の浴室「又新殿」があります。もちろん入ることは出来ないのですが、迷路のような建物内の廊下を通って見学することができます。そして最上階の3階にあるのが「坊っちゃんの間」。英語教師として松山に赴任してきた文豪・夏目漱石がこの建物に感嘆し何度も通い、小説「坊っちゃん」にも書き残した逸話から、漱石ゆかりの資料などが展示されています。他にも小林一茶や与謝野晶子といった文人墨客にも愛された道後温泉本館は、確かにそのそこかしこに文豪を惹き付けるような詩的な魅力にあふれていました。
建物は1894年に建てられた三層楼の造りで、国の重要文化財にも指定されている貴重な建築物。
重厚と優雅とが融合したような、独特の雰囲気。
まさに重厚と優雅とが融合したような独特の雰囲気と存在感を放つ道後温泉本館、もうひとつ有名なのが建物の最上部に作られている「振鷺閣」。ギヤマンのガラス障子に真鍮の鷺が見え、なんとも言えない斬新さに思わず目を奪われてしまいます。この振鷺閣から、毎朝6時に太鼓の音が響き鳴らされます。それが伝統の朝湯のしるし。太鼓は正午と夕方6時にも鳴らされ、温泉街に一日の進み方を知らせています。
とにかく何もかもが風流。一度触れると引き込まれるその世界。その独創的な存在感は他の追随を許さず、今も昔も訪ねる人々を魅了し続けています。
photo_by_HideyukiKAMON_CC_BY-SA_2.0_from_flickr.com
写真は「神の湯二階席」と呼ばれる大広間。入浴を楽しんだあと、ゆっくりと体を休めることができる。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 道後温泉本館 |
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所在地 | 愛媛県松山市道後湯之町5-6 |
問い合わせ先 | 089-921-5141 | 道後温泉本館 |
休業日 | 無休 |
料金 | 入浴料:400〜1500円 |
駐車場 | 周辺有料駐車場 |
公式サイト | https://dogo.jp/onsen/honkan |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/道後温泉本館 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298230-d1383910-Reviews-Dogo_Onsen_Main_Hall-Matsuyama_Ehime_Prefecture_Shikoku.html |
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