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八百卯 八百卯

八百卯

やおう □京都府京都市
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NEWS! 八百卯は2018年に閉店、130年に及ぶ歴史に幕を下ろしました。

梶井基次郎「檸檬」の舞台、果物屋固有の美しさ。

寺町通りの一角に八百卯という小さな果物店があります。梶井基次郎の名作「檸檬」で、主人公である基次郎自身がそれまでとは違う自分を手に入れるきっかけとなった檸檬。それが並んでいた舞台がこのお店なんです。なんと1879(明治12)年創業の老舗です。2階はフルーツパーラーになっていて、果物店の新鮮なフルーツを使ったパフェやサンドイッチ、ジュースなんかがいただけます。
店頭にはレモンがずらりと並んでいて、傍らには梶井基次郎に関するディスプレイがされています。それらを眺めていると、あのわずか数ページしかない短編の、どっぷりと引き込まれるような基次郎の世界の入口に立てたような気がしてしまいます。

八百卯

梶井基次郎の檸檬を読んだ後、いてもたってもいられなくなり訪ねた八百卯。今はもう閉店してしまったが、店先のレモンは鮮明に覚えている。

小説の世界へつながる、そのショウウィンドウ。

『そこは決して立派な店ではなかったのだが、果物屋固有の美しさが最も露骨に感ぜられた。果物はかなり勾配の急な台の上に並べてあって、その台というのも古びた黒い漆塗りの板だったように思える。何か華やかな美しい音楽の快速調の流れが、見る人を石に化したというゴルゴンの鬼面——的なものを差しつけられて、あんな色彩やあんなヴォリウムに凝り固まったというふうに果物は並んでいる。』
そんな風に形容した基次郎は、この店でレモンをひとつ買い、やがて(彼にとっては)とてつもない悪戯を働くわけです。
八百卯のショウウィンドウの前で、その小説の最後の一遍を思い出し、あの素敵な物語をたどりました。

八百卯

梶井基次郎が見つけた「ただあたりまえの八百屋」だった八百卯。訪ねた時はショーウィンドウにレモンが並んでいた。

八百卯 八百卯

閉店後のビルには、あの時見た赤青のテントがまだ一部残っていた。

八百卯 八百卯

ビルの銘板にも、八百卯の名残が。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称 八百卯
所在地 京都府京都市中京区寺町通二条角
問い合わせ先 075-231-4728 | 八百卯
休業日 日曜日
料金 -
駐車場 なし
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