砂浜美術館

海風に吹かれ、潮騒を聴きながら作品と対峙する。

高知県黒潮町にある約4kmもの入野海岸の美しい砂浜を、そのまま美術館にしたというスポットです。オープンは1989年。もちろん建物なんてありません。壁もない窓もない、砂浜と海と空、それに名勝・入野松原。それらになんとなく区切られた空間全体が美術館なんです。自然という美術館の中で、年間を通じて様々な展示が行われます。

斬新な発想と、それを最大限に昇華できる入野海岸の自然が見事に融合した砂浜美術館。代表的な展示会であるTシャツアート展は、30年以上続いている。

何気ない砂浜も、特別なシーンに変わる。

訪れた時には残念ながら開催期間外だったのですが、毎年5月には有名なTシャツアート展、10月には漂流物展など、独創的な展覧会が目白押しです。
この美術館では、作品はこの砂浜に関わりを持つ全てのものです。漂流物、松原、街、うみがめ、空、人、音・・・何気ない砂浜だって、そうやって角度を変えてみて見ると、なるほどそれらは皆、何かしら素敵な光を放つ作品に見えてきます。何も特別なことはなく、ただ砂浜だけなんです。でもちょっとした捉え方だけで、物事はとても素晴らしいシーンを見せてくれることに気付かされるはずです。

約4kmの入野海岸では、何もない（アートがない）ゾーンも当然ある。そこでは、自然自身がアートだと言わんばかりに美しい景色を描き出している。

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