木々の合間をすり抜けてくる潮騒と、海の香り。

美しい砂浜には、美しい松原があります。字の如く白い砂、そして青々とした松。日本の各地に見られるこの美しい景色を集めたのが「日本の白砂青松100選」です。今から40年近く前に選定されたリストで、選ばれた景勝地はいずれも地域を代表する観光スポット。その中には日本三景である松島、天橋立や、世界遺産でもある三保の松原も含まれています。
白砂青松とは日本らしい美しさを保つ砂浜を指す象徴のような意味合いもありますが、今のような景観が作られたのは主に江戸時代のことでした。松の植林、それは海からの風と砂を防ぐための機能的なものであり、松原は言わば人の知恵が成した景色でもあるのです。人の暮らしを守りながら、美しい景色を見せてくれる。木々の合間をすり抜けてくる潮騒と、海の香り。いつまでも日本の海岸の原風景として、保ち続けられることを願います。