鴨川デルタ

鴨川はじまりの地、水が作る特別な聖域。

川とは、ある場所では二つの流れがひとつになり、またある場所ではひとつの流れが二つに分かれるもの。でも普段は、その場所をまじまじと見ることって少ないと思うのです。その現場を見事なまでの美しさで見せてくれるのが、賀茂川と高野川が合流する場所、通称鴨川デルタ。その名の通り、京都の象徴でもある鴨川が始まる場所です。
賀茂川は京都盆地の北側から流れてくる川、高野川は大原や八瀬、貴船などから流れてくる川で、どちらも清流と呼ぶに相応しい綺麗な川です。そしてそれらが絵に描いたように、幾何学的なまで整ったＹの字型に合流しているのです。結果出来上がった綺麗な三角形。鴨川デルタと呼ばれる由縁です。

この三角州には下鴨神社があり、糺の森がある。

でもこの場所が特別なのは、その三角形だけではありません。忘れてはならないのが、この三角州に下鴨神社があり、糺の森があるということ。下鴨神社の鳥居からまっすぐ南へ伸びる参道は、鴨川デルタの真ん中を通って鴨川へと続くかのようです。
そんな神聖な場所でもある鴨川デルタには、他にもたくさんの魅力があります。まずとても大らかな開放感があること、そしてゆっくりとした時間が流れていること。周囲は並木に守られて外界とは違う雰囲気がありますし、東には比叡山がすぐ近くに迫って見えます。川を流れる水はとても綺麗で、周囲の美景を反映します。適度に設けられた堰が小気味よい水音を奏で、それを伴奏にして小鳥がさえずります。川岸でゆったりと構えているのはアオサギ、じっと川面を見つめて小魚を探しているのでしょうか。全てが平和な、鴨川デルタ。南側すぐにある賀茂大橋からは、その全景が見渡せます。

川面ギリギリに置かれた、飛び石も大人気。

鴨川デルタを渡るのは橋だけではありません。川面ギリギリに置かれた飛び石があって、子供たちにも大人気。中には亀や千鳥の形をした石もあり、そんな気の利いた演出も心を和ませてくれます。
また最近では映画のロケ地としてもたびたび登場し、今では京都観光に外せないスポットとして、人気急上昇中です。

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