由布島
ゆぶじま □沖縄県八重山郡竹富町
笑顔が戻った、亜熱帯植物の楽園。
西表島に寄り添うように、東側の海に浮かぶ由布島。周囲2kmほどのとても小さな島です。特徴的なのは島全体が「亜熱帯植物楽園」という植物園になっていて、逆に人が定住する集落がないことです。つまり誰も住んでいないけれど、観光地としてのみ使われている島なのです。しかしそこには由布島が歩んできた過酷な歴史というものがありました。かつては集落があり人が暮らす島だったのに、今はそうではない事実。でも今の由布島にも、変わらず人々の笑顔は溢れています。どうして笑顔が戻ってきたのか。由布島観光は、その歴史を理解する旅でもあります。
西表島の東側に浮かぶ周囲2kmほどの小さな島。豊かな植生を活かし、島全体が「亜熱帯植物楽園」という植物園になっている。
本土では見かけない植物が多く見られる。
ヤシの木に囲まれた散策路。
有名な水牛車で、海を渡って由布島へ。
由布島には有名な水牛車で海を渡ってアクセスします。西表島とは400mほどの距離でずっと浅瀬なので歩いて渡ることも出来ますが、ここまで来て水牛車に乗らない観光客なんて当然ありません。15分ほど、水牛のペースでゆっくりと海を渡って入島します。
由布島全体には亜熱帯植物が勢いよく茂っています。南国を象徴するようなヤシの木やツル植物、大きな葉を広げるシダ植物など、さながら熱帯のジャングルに迷い込んだような気分になります。その亜熱帯の森を縫うように散策路が伸び、随所に見どころが散らばっています。
西表島から由布島へのアクセスは「水牛車」。ノスタルジックな光景に、旅情が満たされてゆく。
由布島に上陸後すぐにある看板。
由布島には水牛たちが体を休める池もある。
島全体が、亜熱帯植物のテーマパーク。
オオゴマダラなどの蝶の舞が美しい「蝶々園」、八重山の透明な海に触れる「マンタの浜」、鮮やかな花を楽しむ「ブーゲンビレアガーデン」。またマングローブの中の散策路や、そもそも多種多様な植物を観察することも非常に見ごたえがあります。水牛の餌やり体験や写真撮影も大人気。その水牛たちが休む池もあり見学できます。レストランや土産物コーナーも充実していますから、半日くらいかけてじっくり楽しめる施設になっています。
そんな島の中には、森の陰に隠れるようにして、古い学校の門柱や使われなくなった井戸も見ることが出来ます。そう、確かに昔はこの島にたくさんの人が暮らしていたのです。
いかにも亜熱帯の特徴的な植物が島中に繁茂していて、ここが日本であることを忘れてしまいそうな景観。
美しく咲く黄色いブーゲンビリア。
森に佇むイリオモテヤマネコの彫刻。
日本では南西諸島でしか見られないベニモンアゲハ。
島内では様々な種類の緑が重なり合う。
強い信念で、由布島は甦った。
1969年八重山諸島を襲った台風によって、由布島での生活は一変しました。エルシーと呼ばれるその台風による高潮で、由布島は島の全域が水没してしまいました。家も田畑も使えなくなり、またこれからの安心も疑わしい中、人々は次々と島を去ってしまったのです。自然と共生する豊かな暮らしの舞台だった場所を、一瞬にして奪われた人々と由布島。しばらく由布島には重苦しい空気だけが漂いました。
でもこの島に残った人もいました。それが西表家の方々。夫妻が中心になって、再び由布島に笑顔が戻るまで復活させるという強い想いで復興が始まりました。それから10年に渡って整地や植林、また施設の建設など、まさに二人三脚の手作りによって由布島を生き返らせたのです。
1969年の台風によって壊滅的な被害を受け島民が由布島を去る中、島に残った家族によって復興が進められた。
由布島東側の砂浜。向こうには小浜島が見える。
砂浜は「マンタ浜」と呼ばれている。
森に埋もれるような「由布島小中学校」の廃墟。
美しい貝類の展示がある「貝の館」。
夫妻の願いが結実した、本当の楽園。
1981年に由布島に植物園が開園します。それ以来多くの人が訪れるようになり、由布島には笑顔が戻ってきました。最初は2頭だった水牛も40頭に増え、由布島は西表島観光における定番として親しまれるようになったのです。島の入口にある待合所には、西表夫妻と由布島が歩んだ歴史が写真とともに展示されていて、非常に興味深いものがあります。写真には夫妻の島に対する愛があふれんばかりに表れていて、心を打たれます。豊富な亜熱帯植物が生い茂り、島は見事に再生しました。見たこともない花が咲き、見たこともない蝶が舞う。その横には、同じ枝に青い花と黄色い実が付いている木があります。ふと気づけば心が癒されている時間。そこにあったのは、夫妻の願いが結実した本当の楽園でした。
1981年に由布島に植物園が開園。亜熱帯の動植物が暮らす、まるで楽園のような島として見事に復興を遂げた。
「貝の館」では様々な美しい貝殻を楽しめる。
帰路もノスタルジックな水牛車で。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 由布島 |
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所在地 | 沖縄県八重山郡竹富町古見 |
問い合わせ先 | 0980-85-5470 | 由布島|亜熱帯植物楽園 |
休業日 | |
料金 | 由布島入園料1400円、子供700円(水牛車代込) |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://yubujima.com/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/由布島 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1132552-d1373505-Reviews-Subtropical_Plant_Paradise_Yubujima_Island-Yubu_jima_Taketomi_cho_Yaeyama_gun_Ok.html |
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