由布島水牛車
ゆぶじますいぎゅうしゃ □沖縄県八重山郡竹富町
人と水牛の絆を感じる、究極の旅情。
西表島の名物のひとつ、水牛車。島の東部にある離小島、由布島へ渡る交通手段として活躍しています。ガイドブックなどでも西表島を象徴する写真としてよく紹介され、その素朴で、旅情をくすぐる光景が大人気。八重山諸島に来たらぜひ体験したい名物です。今回はツアーの一部として、仲間川マングローブクルーズの後に訪れました。
大原港からバスで20分ほど。水牛車乗り場は海からつながる砂浜です。10台ほどの水牛車が見えます。すでに私たちの乗車を待ってくれているようです。
筋骨隆々の体躯と、つぶらで優しい瞳。
まず何より、水牛が可愛らしいです。体はかなり大きいし、本気になられたら人間なんてひとたまりもないような迫力ある角。でもみんなとても穏やか。つぶらな瞳には優しさが宿っています。筋骨隆々といった体躯ですが、毛並みがとても繊細で美しく、大切に育てられているんだなと思います。これから車を引っ張って海を渡ってくれるなんて、出発する前からありがたい気持ちになって仕方がありません。
雄と雌では力が違うため、引っ張る車の大きさが違います。往路は18人も乗せてくれる、雄の水牛です。水牛の負担にならないように、バランスを見ながら乗客を乗せたら、ゆっくりとした足取りで水牛は歩き始めました。
この瞬間と感動を、胸に焼き付けようと。
水牛車が進むのは、西表島と由布島を隔てる浅瀬です。幅は400mほどありますが、深さはほんの数10cmほど。ちゃぷちゃぷと音を立てて、15分ほどの小旅行です。一歩一歩、水牛のペースでゆっくり進んでいきます。でも全く急ぐ必要なんてありません。18人も乗っていたら、すごく重いはず。むしろ出来るだけゆっくり進んでくれたら良いのです。
海の上を吹く風がとても気持ちいい場所です。横には電柱が並んでいて、由布島へ電気を送っています。海の上に無防備に並ぶ電柱、その光景もノスタルジックで絵になります。やがて水牛を操るおじさんが、三線を手に取り沖縄民謡を歌ってくれます。もう、これ以上ない沖縄らしい体験。時間の概念を忘れて、ただただこの瞬間と感動を胸に焼き付けようと思いました。
ここでは水牛たちが、時計のネジを巻く。
由布島にある亜熱帯植物園を楽しんだあと、帰路も水牛車が運んでくれます。今度は雌の水牛で、車に乗ったのは6人です。でもやっぱり力持ち。この子は女の子の中でも特に強く、速いんだそう。水牛には皆それぞれに名前があって、そして個性があるそうです。途中で必ず休憩する子、用を足しちゃう子、負けず嫌いな子、斜めに歩いていく子。そうなるともう何でもいいから、お任せです。ここでは水牛たちが時計のネジを巻いているのですから。
水牛は生まれてから2.3年訓練してからデビューするそうです。そして人間と同じ、週休2日で頑張っています。人間でいう60才にあたる20才になると引退し、由布島でのんびりと暮らすそうです。でもあまりのんびりすると体が鈍るので、時々体調維持のために仕事をするのだとか。働き者です。
由布島で、人と水牛の繋がりを見る。
西表島と由布島を水牛車が観光として行き来しだしたのは1980年頃。それ以来、基本的に水牛たちは家族代々で活躍しています。由布島の施設では水牛の家系図を見ることができます。台湾からやってきた大五郎と花子のカップルから始まり、その子孫が今も頑張っているのです。家系図の隣には大五郎の頭蓋骨と立派な角が展示されています。長寿だったという大五郎の角はとんでもなく巨大で、一見の価値ありです。
由布島には水牛たちが休む大きな池もあります。水牛たちは頭が少し出るくらいまで水に浸かり、気持ち良さそうに目をつむっています。まるで温泉に浸かる人間のように、安寧の池で牛車を引っ張った疲れを癒しています。でも何故、水牛なのか。その昔、由布島には一家に一頭くらい水牛がいて、人とともに島の日々を暮らしていたそうです。その絆が今もこの場所で受け継がれている、そんな印象を受けた今回の体験でした。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 由布島水牛車 |
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所在地 | 沖縄県八重山郡竹富町古見694 |
問い合わせ先 | 0980-85-5470 | 由布島|亜熱帯植物楽園 |
休業日 | 年中無休 |
料金 | 由布島入園料1400円、子供700円(水牛車代込) |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://yubujima.com/ |
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食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1132552-d10495214-Reviews-Yubujima_Suigyusha-Yubu_jima_Taketomi_cho_Yaeyama_gun_Okinawa_Prefecture.html |
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