鍋倉渓
なべくらけい □奈良県山辺郡山添村
黒々とした巨石が、川のように連なる奇景。
川には水が流れているものですが、ここ鍋倉渓ではちょっと違います。耳を澄ますと水の流れる音が聞こえるんですが、それはどうやら、この足元を覆い尽くす巨石群の下から聞こえてくるのです。
鍋倉渓は神野山を源流とする小さな沢に沿って広がる、世にも不思議な風景です。大小さまざまな無数の岩が、川の水の代わりのように沢を埋め尽くしているのです。周囲を豊かな緑に囲まれる中、まるで溶岩流が冷え固まったかのように、一筋の列を成して広がっているのです。
岩の川、と言ってもいいような、一目見て不思議なこの光景。全長は650mもあるといいます。これらの岩は全体として赤黒く、累々と連なる様子は圧巻です。一説には、長い時間をかけて風化を生き残った岩が、このなだらかな谷底に落ちて集まったとも言われます。それほど急な勾配ではないこと、またこれらの岩を押し流すほどの水もなかったことが、この景観を作り出した原因なのかもしれません。
photo_by_TamagoMoffle_CC_BY-SA_2.0_from_flickr.com
大きな黒色の岩が長さ約650mにわたり、川のように連なる。まるで流れ出した溶岩のような景観。
「フォレストパーク神野山」の中にある。
美しいヤマザクラが満開になっていた。
延々と連なる、黒い岩の世界。
小さな駐車場に車を停めたら、すぐ横に広がる鍋倉渓に沿って遊歩道を歩きます。チョロチョロとかすかに聞こえる水の音に誘われ、遊歩道から外れて岩の上を歩いてみます。長い時間をかけて堆積し、作り上げられた景色。一体何千年前からここにあるんだろうかと、がっしりと組み上がった岩々を踏み鳴らしてみますが、こんな人間ひとりに何ができようかというくらい、当然のことながら微動だにしません。そこからは上りを見ても下りを見ても、変わらず延々と連なる黒い岩の世界。
長い年月をかけて堆積し、作り上げられた景色。紅葉の名所としても知られている。
足元を覆い尽くす巨石群。
場所によっては黒い岩の上に立ってみる。
ある意味独特な、寂寥感のある雰囲気。
奈良の市街地から遠く離れている上、周りには目立った名所や大きな集落もなく、世の中とはやや隔絶された場所ということもあり、この鍋倉渓にはある意味独特な、寂寥感のある雰囲気があります。それがまたこの景観の特殊性を醸造しているのかも知れません。なぜか派手さはないのです。でもとにかく他ではあまり見たことのない、オンリーワンの魅力があります。
季節と時間が合えば、神秘的に演出されたライトアップイベントもあるそうです。それから密かに、紅葉の名所でもあるそうな。アクセスはなかなかに難しいスポットですが、ぜひ、この個性を感じるために訪れたい場所です。
photo_by_TamagoMoffle_CC_BY-SA_2.0_from_flickr.com
特異な光景に昔の人たちは、古代人が造った人工物だと考えていたのかもしれない。
鍋倉渓に沿って遊歩道が設けられている。
神野山には「天狗の喧嘩」伝説があるという。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 鍋倉渓 |
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所在地 | 奈良県山辺郡山添村大塩1837 |
問い合わせ先 | 0743-85-0081 | 山添村観光協会 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://yamazoekanko.jp/spots/nabekurakei |
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LAST VISIT | 201605 |
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