東山手洋風住宅群
ひがしやまてようふうじゅうたくぐん □長崎県長崎市
ノスタルジックな木造の、7軒の洋館。
オランダ坂の中腹あたりの路地を入ったところに、小さな木造の洋館が7軒並んでいます。周囲には極彩色に彩られた孔子廟や壮麗な石造りの洋館が立ち並ぶなか、狭い敷地にひしめき合うように立つその7軒は、不釣り合いなくらい質素なつくりで異彩を放っています。それらは東山手洋風住宅群と呼ばれ、明治30年頃に建てられた昔の賃貸住宅なんだそうです。文明開化のポートレートのような、装飾的で優美な建物が多い長崎にあって、それとは違ったまた別の一面を見せてくれる建物群です。
急斜面に築かれた高台にあり、白い壁は夕方の斜陽を浴びて明るく輝いていました。7軒の建物はそれぞれに資料館やレストラン、コミュニティホールなどとして今も利用されていて、そのうちのひとつ、東山手地区町並み保存センターとして一般に公開されているB棟を訪れました。
木造の洋館が7棟集まって残されている、明治30年頃に建てられた住宅地。シンプルな造りにリアリティを感じる。
まるで外国に来たような景観。
木造だが美しく管理されている。
床に落ちる小さな影は、原爆が残した傷跡。
館に一歩足を踏み入れると、建築当時から時間が止まったようなノスタルジックな空間です。古い小さな木造の建物は、歩くたびに響くあのなんとも言えない足音が小気味いいものです。西日が差す明るい室内には、時の流れに乗ることをやめた調度品が、静かに心地よさそうに日の光を浴びています。
館内のスタッフの方が声をかけてくれました。「今あなた方の足元にガラス窓の傷の影があるでしょう」そこには日差しを素通ししたガラス窓の形の日だまりがあり、よく見るとその中に、一本の線のような影が映っていました。「それは原爆が残した傷跡なんです」原爆の熱風で変形したガラスが皺を作り、それが影としてリノリウムの床に投影されていました。こんな何気無い場所にも、歴史はしっかりと刻み込まれていることを知らされた、小さくても小さくても意味の大きな一本の影でした。
photo_by_Marufish_CC_BY-SA_2.0_from_flickr.com
いくつかの建物は内部を見学できる。そこは建築当時から時間が止まったようなノスタルジックな空間。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 東山手洋風住宅群 |
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所在地 | 長崎県長崎市東山手町3-7 |
問い合わせ先 | 095-827-2422 | 東山手十二番館 |
休業日 | 12月29日~1月3日 |
料金 | 無料 |
駐車場 | なし |
公式サイト | http://www.city.nagasaki.lg.jp/shimin/190001/192001/p000579.html |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/東山手 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298568-d2409769-Reviews-Higashiyamate_Ko_Jusanbankan-Nagasaki_Nagasaki_Prefecture_Kyushu_Okinawa.html |
LAST VISIT | 200707 |
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