ハリモミ純林

世界的にも貴重な、ハリモミの原生林。

富士山の東北麓、山中湖の北に広がる約57haの原生林で、この林を形成する樹木は8〜30mの高さの針葉樹、ハリモミのみ。それは世界的にも大変珍しく、国の天然記念物に指定されています。
樹齢は揃って約250年。というのも、かつて富士山の火山活動の溶岩流によってまっさらな新しい大地ができ、そこから歳月を経て豊かな森が再生される過程の、まさにそのスタートの段階だからです。たまたま今の環境に適したハリモミが全盛の状態。将来的にはハリモミだけではなく、多種多様な植物が繁茂していくわけですが、今はまだその前のいわば森の始まりの姿を見ている、というわけです。

photo_by_Sakaori_CC_BY-SA_3.0_from_Wikimedia_Commons

この林を形成する樹木は8〜30mの高さの針葉樹ハリモミのみで、世界的にも大変珍しいものだそう。

何億年もの間繰り返されてきた、自然の摂理。

事実、今日のハリモミ純林ではその自然の遷移が始まっていて、朽ちて倒れたハリモミのあとにはコナラやカエデなどの葉樹が生えてきているそうです。なんだかもったいない気もしますが、人間が繁栄し森に手を加えるようになるまで、何億年もの間繰り返されてきた自然の摂理。天然記念物のハリモミを守るために、それらの木々を除去することも検討されているそうですが、今こそ人の手を加えず、自然のままに原始林が成長していく過程を見守りたいものです。
広々とした田園風景を走る県道717号線沿いにあり、富士山を背景にしたハリモミ純林の全景は美しい眺めです。立ち入り禁止にもなっていて、どこか人を寄せ付けない威厳のある雰囲気を纏い、ハリモミたちは大きな空に向かって突き立っていました。

photo_by_TiloPodner_CC_BY-SA_3.0_from_Wikimedia_Commons

この極相を守るために立ち入り禁止で、どこか人を寄せ付けない雰囲気も感じられた。

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