万倉の大岩郷

風景を埋め尽くす、謎の巨石群。

神様がいたずらをしたとしか思えないような、不思議な光景が広がります。美祢インターから南へ15分ほどのところに、突然に無数の巨石が延々と転がる平原があります。万倉の大岩郷と呼ばれるこの岩の溜まり場は、大きさが1〜6mもある岩が幅100m、奥行き150mほどの広さに無造作に積み重なる独特の景観を見せています。
かつては山を形作っていた深成岩と呼ばれる岩石が山崩れで広範囲に溜まり、やがて長年の風化浸食によって現在の状態になったと考えられています。周囲は豊かな緑をたたえる森林です。その中でごろごろと広がる丸みを帯びた巨岩は、あたかもどこか遠いところから転がってきて、そしてこの地に溜まってきたかのような印象です。

photo_by_山口県Photo素材集

突然に無数の巨石が延々と転がる、不思議な景観。自然の造形には常に驚かされる。

雑草は育つが、さすがに樹木は育たない様子。

奈良にある「鍋倉渓」が思い出された。

自然の仕業とは分かっていても、その謎に興味津々。

周辺は公園として整備されていて人気も少ないので、ゆっくりと旅の物思いに耽る絶好のスポット。他ではなかなか目にかかれない壮大な岩海は、その豪胆な姿に静かな落ち着きを宿し、ここはこれ以上先のない旅路の終点のように思えてきます。
しばらく呑気に岩原を眺めます。それにしても摩訶不思議なこの光景。象ほどの大きさもあるたくさんの巨石がどうやってこんな風に野原を埋め尽くしたのか、自然の仕業とは分かっていてもその謎に興味津々です。あいにくの雨模様でしたが、岩原の向こうの方は霧でぼんやりとしていて、逆にこの風景は霧の向こうにも果てしなく続いていそうな感じなのが印象的でした。

photo_by_morinjitanuki_CC_BY-SA_4.0_from_wikimedia_Commons

大きさが1〜6mもある岩が幅100m、奥行き150mの範囲に無造作に広がっている。

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