真賀温泉

山懐に寄り添うように湧く、400年の歴史を持つ湯治場。

中国道湯原ICから南へ延びる国道313号線沿いに、気をつけていなければ見過ごしてしまいそうな、こぢんまりとした小さな温泉宿が並んでいます。この真賀温泉、あまり知られてはいないんですが、なかなか素敵な温泉です。
共同浴場である真賀温泉館は、道沿いの山肌にぴったりと張り付くように建っていて、石段を上ったところに建物があります。気さくな番頭の方があたたかく迎えてくれます。真賀温泉は約400年の歴史を持つ古湯で、昔から湯治場として親しまれてきました。それだけにお湯はやっぱりガツンとしていました。無色透明の熱いお湯で、しばらく浸かっていると体の芯から温まってきます。

山間のひっそりとした温泉地。訪問時はまだいくつかの旅館があったが、今は1軒の旅館と共同浴場のみとなった。

写真の看板やゲートは以前のもので、どちらも今は簡素なものに変わってしまった。

真賀温泉館の貸切風呂「幕湯」は、湯船の足元から直接温泉が湧き出している。

小さな小さな、とっておきの温泉。

賑やかな温泉街はないですが、だからこそ味わえる発見の喜びがありました。とっておきの温泉みたいな。湯から上がって軒先の赤い傘の下で、この旅の道中を思い返しながら、きんと冷えたラムネを飲み干しました。最後ビー玉のカランという音が傘の中で響き、まったくもって贅沢な昼下がりに陶酔してしまいました。またきっと、訪れることがあると思います。

photo_by_melvil_CC_BY-SA_4.0_from_Wikimedia_Commons

決して賑やかではない秘湯感が、真賀温泉の最大の魅力。心落ち着く、味わい深い温泉。

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