西表島

いりおもてじま　□沖縄県八重山郡竹富町

豊かな自然と、緩やかに流れる時間。

西表島は石垣島の約20km西方、八重山諸島で最も大きな島であるとともに、沖縄本島に次いで沖縄で2番目に大きな島です。しかし人口はとても少なく、2000人強と言われています。そのため手付かずの自然が豊富に残されており、動植物の多様性と独自性が守られてきた貴重な島でもあります。2021年には島全体が世界遺産に登録されて、名実ともに未来へ伝えていきたい無垢の自然を満喫する島として人気を不動のものとしました。
「西」を「イリ」と読むのは、沖縄の方言です。また「表」は石垣島の最高峰である於茂登岳のことを指しているそうです。於茂登岳の西の島、あるいは西にある於茂登岳のような山の島、といった意味が込められているのかもしれません。それほど西表島は山がちな島で、標高400mを超える山が島内に三峰もあるほどです。海上や周辺の島から見る西表島は、なるほど海側からこんもりとしたシルエットです。

雄大な自然が、太古から変わらず残る。

島は大きく東西の集落に分かれています。北西の上原港、南東の大原港がそれぞれの集落の玄関口。島内で陸路でもつながっていますが、以前は東西をつなぐ道がなくて孤立していたそうです。だから東西の集落を移動する時は、定期便のある石垣島へ一旦行き、それからもう一方の港行きの船に乗り換えて移動していたそうです。
西表島の気候は亜熱帯海洋性気候で、緑豊かな南国の自然が保たれています。山が多いことから人が住める平地がもともと少ないこともあり、雄大な自然が太古から変わらず残っています。雨が多く、年間2400mmも降ります。だから島には水がとても豊富。カンピレーの滝・マリユドゥの滝・ピナイサーラの滝といった滝は観光スポットとしても人気です。また仲間川の下流域には、日本最大のマングローブ林が発達しています。こちらも遊覧船で巡るツアーが人気。

「東洋のガラパゴス」とも言われる、独自の生態系。

そしてまた西表島で暮らす動植物の多様性も大きな魅力です。島が山がちで海面の変動や津波の影響を受けにくかったことから、まるでノアの方舟のように多種多様でたくさんの動植物が繁栄を続けてこられたのです。「東洋のガラパゴス」とも言われ、貴重な生物の宝庫です。最も有名なのはイリオモテヤマネコでしょう。西表島にはあちこちにヤマネコ注意の看板があります。でも今は全島でも90頭程度しかいないとのことで、今後の保護にも注目が集まります。他にもカンムリワシやセマルハコガメといった八重山諸島に固有の種など、普段は見られない動物たちとの出会いは西表島の大きな魅力のひとつです。

自然を舞台にした、エコツーリズムが盛ん。

観光スポットとしては上記に挙げた滝や仲間川のマングローブ林を巡るクルーズ、また水牛車で海を渡る由布島などが代表的な名所。イダの浜や南風見田の浜といった絶景のビーチも人気があり、またカヌーやカヤック、ハイキングなど豊かな自然を舞台にしたエコツーリズムも盛んです。今回はマングローブクルーズと由布島を巡るツアーに参加したのですが、それは西表島観光の最も定番なコースなので、次回はぜひとも底知れない西表島の大自然にどっぷり浸かる体験をしてみたいと思います。

健気に働く、日本最南端の信号機。

それと、西表島は石垣島と並んで日本で最も南西部にある島です。必然的に「日本最南端の◯◯」というものがたくさん出てきます。そのひとつが、大原港から徒歩で行ける「日本最南端の信号」。日本には20万ヶ所以上の信号機があるそうですが、その中で文字通り最も南にある信号です。車なんてほとんど走っていなく本当に必要なのかなと思ってしまいますが、島に2つしかないうちの1機で、せっせと健気に働いています。そんな大原の信号機をぼんやり見ていると、遠いところまで来ているんだなという旅情がふと込み上げてきました。ほんとに短い時間しか西表島には滞在しませんでしたが、宿泊してじっくりと西表島の緩やかな時間を過ごせたら、もっとさまざまな感情が呼び起こされるんだろうなと確信した瞬間でもありました。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称	西表島
所在地	沖縄県八重山郡竹富町西表島
問い合わせ先	0980-82-6191 ｜竹富町役場
休業日	-
料金	-
駐車場	-
公式サイト	-
wikipedia	https://ja.wikipedia.org/wiki/西表島
食べログ	-
トリップアドバイザー
LAST VISIT	202210