穴太寺
あなおじ □京都府亀岡市
ありのままが美しき、穏やかな境内。
西国三十三所第21番札所として多くの参拝客を迎える、天台宗の寺院・穴太寺。京都盆地の西側にあるもうひとつの盆地、亀岡盆地の真ん中にある、穏やかな時が流れるお寺です。
住宅が立ち並ぶ三叉路に面して、いきなり山門が立っています。生活道路から一歩でいきなり山門という感じ。何気ないですが、あまり見かけない気もします。境内はこぢんまりとした広さで、その中に寺院として必要な最低限のお堂などが一揃えされている、そんなイメージです。でも逆にそれが穴太寺の魅力。華美に走ることもなく、壮麗であることもなく、穴太寺は地域にずっと親しまれてきて、穏やかな空気に満たされています。これで、いいのだ、と。
創建は飛鳥時代の705年と伝わる古刹。本堂に安置される木造釈迦涅槃像、通称「なで仏」は諸病を癒す仏として有名。
17世紀再建の古風な山門。
山門には仁王像が睨みを利かせている。
境内全体が、庭園として設えられている。
創建は大変古く、飛鳥時代の705年と伝わります。長い歴史の中で度重なる火災や天災にあい、現存で最も古い建物は17世紀半ばに再建されたという、先ほどの山門。三叉路に面して400年近く立っているのか、少し気になってしまいます。
境内には本堂、多宝塔、鐘楼があり、それらはどれも江戸時代中期に再建されたものです。そしてそれらの建物をつなぐように、境内全体が庭園として設えられています。だからどの建物も、写真に収めようとするとちょうどいい具合に樹木がカットインしてきます。まさか江戸時代にカメラがあったわけではないのに、まるで写真の収まり方まで計算されていたかのよう。
穴太寺の本尊については、あまりよろしくないエピソードがあるといいます。というのも、昭和43年になんと盗難にあったということ。以来、本尊は行方不明のままだそうです。代わりに、ではないですが、穴太寺には「なで仏」と呼ばれる釈迦涅槃像があります。自分の体で治したい部分と同じ箇所をなでてお願いをすると御利益があるというありがたい仏様です。その御利益のため、遠方から参拝する人も多いそうです。
境内には高い木が多く、境外との世界観を違えている。
正面の本堂は1735年の再建。
千社札と奉納額に歴史を感じる。
地元では「あなおさん」とも呼ばれている。
西国三十三所第21番札所の御朱印。
京都の奥座敷に見つけた、癒しのお寺。
そして穴太寺は、やはり穏やかです。古色蒼然とまでは言えないかもしれないけれど、境内のどこを見ても古刹らしい歳月が感じられます。そしてそれは温かさのようなものであり、安心を与えてくれる質のものなのです。私はそうだから、あなたもそのままあるがままでいいのですよ、そのように語りかけられているような。京都の奥座敷に見つけた、癒しのお寺でした。
高さ約13mの多宝塔。江戸時代後期に再建されたもので、内部に多宝如来・釈迦如来を安置する。
境内のどこからでも多宝塔が見える。
1759年建立の厳かな鐘楼。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 穴太寺 |
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所在地 | 京都府亀岡市曽我部町穴太東ノ辻46 |
問い合わせ先 | 0771-24-0809 | 穴太寺 |
休業日 | 無休 |
料金 | 本堂, 庭園: 団体400円 個人500円 |
駐車場 | 有料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/穴太寺 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g325585-d2071439-Reviews-Anaoji_Temple-Kameoka_Kyoto_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 201810 |
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