建部大社
たけべたいしゃ □滋賀県大津市





魅力に溢れた、近江国一宮。
瀬田の唐橋を訪ねたあとに高速に乗ろうとしていたら、「近江国一宮」と書かれた建部大社の看板を発見。予定に入れていなかったものの、各地の一宮には最近少し興味があるので訪ねてみることにしました。瀬田の唐橋からまっすぐに500mほど。道路脇にある一の鳥居をそのまま車でくぐり抜けると、境内に無料の駐車場があります。二の鳥居からは歩いて建部大社の境内を散策します。

瀬田の唐橋から程近くにある「建部大社」は1,900年以上の歴史を持つ古社。近江国の一宮として崇敬を集めてきた。


一の鳥居から続く参道。


二の鳥居から神門へ続く参道。
本殿の主祭神は、英雄・日本武尊。
建部大社の境内は色々な逸話やエピソードに溢れています。参道の脇には本殿の主祭神である日本武尊やその父である景行天皇などの足跡、また日本で初めて発行された1,000円札には建部大社本殿が描かれていたことなど、いくつものイラスト付きのカラフルな説明看板が立ち並んでいます。また境内の社殿もそれぞれに詳しい案内が書かれていて、とても分かりやすいです。

本殿の主祭神は「日本武尊」で、建部大社の境内には色々な逸話や伝承が溢れている。
1,900年以上に及ぶ、歴史を持つ。
建部大社の創建は景行天皇46年と伝えられます。西暦でいうと116年。ですからもう1,900年以上の歴史を持つ大変な古社です。現在地には675年に遷座して今に至るそうです。その後、近江の一宮として人々の崇敬を集めてきました。特に皇族や武将からの信仰が深く、源頼朝が平治の乱に敗れて伊豆国に流される道中に建部大社に祈願し、のちにその大願が成就したことから、出世開運の神としてより大きな崇敬を集めるようになりました。

現在地には675年に遷座してきた。社殿は豪壮な造りで、一宮として信仰を集めてきた風格が感じられる。


境内には様々な見どころが点在している。


本殿の東側に位置する「宝物殿」。


伊勢神宮遥拝所。


しじみを模した貝殻の絵馬が並ぶ。
日本武尊を祀る本殿と、大己貴命を祀る権殿。
境内にはそのような建部大社の歴史を示すように、非常に多くの社殿が建ち並んでいます。幅の広さが特徴的な神門を抜けると正面に拝殿があります。拝殿の奥には日本武尊を祀る本殿と、大己貴命を祀る権殿が並んで建っています。
その手前には一見拝殿を邪魔するように見える「三本杉」と呼ばれる神木が立っていて、これは権殿を造営して大神神社から大己貴命を勧進した時に一夜にして成長したという伝説がある木なのです。

神門を抜けると正面に拝殿があり、その手前には「三本杉」と呼ばれる神木が立っている。


一夜にして成長したという伝説がある。


威厳のある拝殿が境内中央に建つ。


本殿と権殿に対してひとつの拝殿となる。


力士のように恰幅のよい狛犬。
境内には、多くの摂末社が鎮座。
これらの社殿を中心として左右には、多くの摂末社が鎮座しています。景行天皇を祀る「聖宮神社」、景行天皇皇后を祀る「大政所神社」をはじめ、境内には11の境内社と1つの境外社遙拝所があるのです。そのうち建部大社がここに遷座する前からこの地にあったという「大野神社」は、縁結びの神様として有名です。いずれにせよ建部大社はこのように多くの神様が集まった神社であり、それゆえに出世開運、除災厄除、商売繁盛、縁結び、医薬醸造といったさまざまなご利益があるとされています。

境内には11の境内社と1つの境外社遙拝所がある。写真左から「蔵人頭神社」「行事神社」「大政所神社」「聖宮神社」。


左から「若宮神社」「弓取神社」「箭取神社」。


縁結びの神様として有名な「大野神社」。


穀物の神を祀る「武富稲荷神社」。


庭園の池に架かる石橋と大野神社の鳥居。
菊の模様がついた、天然記念物の「菊化石」。
建部大社には他にもまだまだ特色があります。滋賀県内最古のものとされ国の重要文化財に指定されている鎌倉時代の石灯籠、菊の模様がついた天然記念物の「菊化石」、自由に持ち帰れる「お食い初め石」、白い石に書いた願いが叶うという「願い石」など、多くの見どころがあるのです。宝物殿には日本武尊の妃を表現したという「女神像(平安時代・国の重文)」もあり必見。さらに境内には「頼朝公の出世水」と呼ばれる湧き水があり、飲むこともできます。

本殿裏手の玉垣に展示されている、菊の模様がついた天然記念物の「菊化石」。


菊化石と並んで置かれている「さざれ石」。


白い石に書いた願いが叶うという「願い石」。


宝物殿の奥、湧き水の上に建てられた「水神社」。


国の重要文化財に指定されている鎌倉時代の石灯籠。
一宮はやはり、格段の魅力がある。
というわけで、近江国一宮の看板から始まった建部大社の参拝は想像以上に厚みのあるものでした。あらためて感じましたが、各地にある一宮はやはり格段の魅力があります。長い歴史と、その間ずっと人々の深い崇敬を集めてきたこと。積み重ねられた時間と人々の信仰心は、さまざまな形の趣となって現代に受け継がれているのです。また旅の、目的のひとつを見つけたような気がしました。

神域との境となる建部大社の神門。かなり横幅のある大きな門で、中央には巨大な提灯が提げられている。


境内には小さな池と庭園もある。


事代主命、市杵嶋姫命など八神を祀る「八柱神社」。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 建部大社 |
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所在地 | 滋賀県大津市神領1丁目16-1 |
問い合わせ先 | 077-545-0038 | 建部大社 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://takebetaisha.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/建部大社 |
食べログ | - |
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