四万十川

しまんとがわ　□高知県四万十市～高岡郡津野町

神によって紡がれる、ここにしかない特別な時間。

河口に開けた町、中村のこぢんまりとした町並みを抜け、赤鉄橋を渡り、右に曲がるともうそこには広がっています。悠久だなんて一言では表現できない清流の世界。その景色や音、空気までもが四万十の神様によって頑なに守り続けられた、遥かなる世界です。
まずここでは、時間がとてもゆっくり流れています。針のない時計によって進む四万十のゆるやかな時の流れの中、堤防の道で自転車を走らせました。そこから見えるのは、時間よりもっとゆっくり流れる川の水。山と川と空が２次元で融合したかのような、まるで絵のように止まっている光景。動いているのは自分の意識だけのような、不思議な感覚が訪れます。

カヌーなどのウォータースポーツも盛ん。

四万十川は、全長196km。源流とされる不入山を発し、四国南西部を大きく蛇行しながら水を集め土佐湾に注ぎます。大規模なダム開発などがされていないことから、日本最後の清流と呼ばれることは有名です。上流は山間部を縫うように流れ、カヌーなどのウォータースポーツも盛ん。やがて盆地や平野では田畑を潤しながら、川幅も広くなる下流ではゆったりとした流れとなり、伝統的な川漁なども行われます。天然ウナギや鮎、ゴリ、テナガエビなど、特産物もたくさん。いろんな表情と特徴を持った個性豊かな川です。
自転車が滑るように走る川沿いの平坦な道はいつしか森の中を抜ける細い坂道になり、やがて佐田の沈下橋へたどり着きます。渡し船もあり、観光客も多く訪れる名所。欄干のない橋から覗き込む四万十川は豊かな水量をたたえ、そしてまるで大きなベルトコンベアのように川全体が一様な早さで流れていました。

頭の隙間にぴったりと納まって外れない、特別な景色。

このあと、夕方までに４つ目の沈下橋までを遡りました。川は徐々に静けさを増してゆき、やがて山端の向こうに隠れた太陽は河畔に陰を残してゆきました。さっきまで白かった河原の石は本当はくすんだ灰色をしています。コンクリートみたいに硬そうだった入道雲も、夕方の風に吹かれて崩れてしまっています。そろそろ踵を返す時間が来ました。もしここで夜空を見れたら、素敵な星空が見えそうな場所でしたが、名残惜しく川下へ向かいました。
最初の沈下橋まで戻ってくると、山に囲まれた川上に比べると四万十川はまだまだ明るく、朗らかな表情をしていました。もう一度、真っ直ぐの堤防の道を赤鉄橋に向かって走りました。どうしてかこの堤防の道がとても印象的で、長い年月が過ぎた今も、さっき見た景色のようにこの風景が蘇ってきます。頭の隙間にぴったりと納まって外れない、特別な景色です。

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アクセスマップ

詳細情報

名称	四万十川
所在地	高知県四万十市～高岡郡津野町
問い合わせ先	0880-35-4171 ｜四万十市観光協会
休業日	-
料金	-
駐車場	-
公式サイト	https://www.shimanto-kankou.com/kanko/shimanto-river/shimantoriver.html
wikipedia	http://ja.wikipedia.org/wiki/四万十川
食べログ	-
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298233-d1238307-Reviews-Shimanto_River-Kochi_Prefecture_Shikoku.html
LAST VISIT	200909