神鍋高原
かんなべこうげん □兵庫県豊岡市





火山が生み出した、独特の高原景観。
神鍋高原は兵庫県北部にある高原。開場100年を超える西日本最古のスキー場があるように、昔から高原リゾートとして親しまれてきたエリアです。今も3つのスキー場で冬は賑わいますし、冬以外の季節でもゴルフやテニス、ハンググライダー、マウンテンバイクなどのアウトドアスポーツのメッカとして多くの人が訪れます。全天候型のスポーツ施設「但馬ドーム」もあり、スポーツチームの合宿先としてもよく利用されています。さらに高原らしい景観を巡るハイキングなど、1年を通して楽しめるリゾート地として人気があります。

草原や渓流といった景観、またそこで楽しめる高原リゾート。それらは全て、この噴火口からもたらされた。


昔から高原リゾートとして親しまれてきた。


開場100年を超える西日本最古のスキー場。
神鍋高原の中心となるのは、神鍋山。
神鍋高原のなだらかな起伏は、火山活動によって生み出されました。神鍋高原の中心となる神鍋山は、今から1〜2.5万年前に噴火した火山なのです。地学的には非常に新しい火山で、火口の形もくっきり残っています。噴出したスコリア(赤茶けた、気泡のような穴がある溶岩)が積み重なって出来た山で、麓からは約120mほど高くなっています。
また神鍋高原一帯にも火山活動による地形が随所に見られ、スコリアがあちこちに転がっていたり、複数の風穴、また溶岩台地を浸食して個性的な滝が連なる「神鍋溶岩流」と呼ばれる渓流など。その特色ある台地の上に森や草原が育ち、独特の景観を見せているのが神鍋高原です。

神鍋高原の中心となる「神鍋山」は、今から1〜2.5万年前に噴火した火山。流れ出た溶岩がなだらかな傾斜地を作った。


頂上付近に設置されたブランコ。


頂上からは爽快な風景が楽しめる。
草原の中でも、地面は赤茶けた溶岩。
観光の拠点となるのは、道の駅神鍋高原。ここに車を停めて、神鍋山を歩くことにしました。訪ねたのは8月。やや日も傾きかけた時刻でしたが、夏の太陽にひたすらに熱せられた高原はまだまだ暑さに包まれています。実は標高は400m前後で、高原とはいえそこまで涼しくはないのです。
どうしても神鍋山の火口が見たいと思い、暑い中でしたがスキー場の斜面を登りました。急斜面ではないので、それほど歩きにくいことはありません。草原を歩いてましたが、ところどころで剥き出しになった地面は赤茶けた溶岩そのものです。

剥き出しになった地面は赤茶けた溶岩そのもの。ここが火山活動のまさに現場であり、神鍋高原の原点であることを実感する。


火口横にある東屋。


麓の案内板から火口までは徒歩15分ほど。
はっきりと噴火口だと分かる、神鍋山の火口。
しかし高低差120mをやっとの思いで登り切ると、そこに神鍋山の火口がありました。美しい円形で周囲750m、深さは40mほど。見事なすり鉢状になっています。火口の底まで植物に覆われていますが、くっきりと噴火口ということが分かります。それはやはり迫力のあるものですし、昔はこの穴から灼熱の溶岩が噴出していたと思うと心の片隅には少し怖い気持ちさえ出てきます。もちろん、もう噴火することはないのでしょうけれど。
火口は一周できる遊歩道があり、東屋も置かれています。遊歩道の地面はまさに冷え固まった溶岩そのもの。ここが火山だったことが如実に実感できます。

神鍋山の火口は美しい円形で周囲750m、深さは40mほど。はっきりと噴火口だと分かる。


かつてここから灼熱の溶岩が噴き出していた。


少し怖い気持ちさえ湧いてくる。
但馬の山並みが、見渡す限りに広がる。
この火口付近から眺められる景色は絶景。特に火口から少し歩いたところ、スキー場のリフト降り場あたりに平坦な場所からは但馬の山並みが見渡す限りに広がり、雄大な風景に癒されます。ピラミッドのように独特の外観の但馬ドームも、景色の主役となっています。ベンチやブランコが置いてあって、写真映えもする人気のスポットです。
この日はマウンテンバイクのコースが設けてあり、ここをスタート地点に麓まで専用レーンが作られていました。そこを駆け降りていくマウンテンバイクがとても気持ち良さそう。神鍋高原のスキー場には25年以上前に滑りにきたことがありますが、夏でもまさにその爽快感を味わえるようです。

頂上からは但馬の山並みが見渡す限りに広がり、雄大な風景に癒される。ピラミッドのような独特の建物は「但馬ドーム」。


斜面は冬には一面の銀世界となる。


湧き上がる雲や空も近くに感じられる。
もうひとつの名所、神鍋溶岩流の滝巡り。
夕方の風が吹き始めて、あんなに暑かった神鍋高原にもいくぶん涼しさが感じられるようになりました。汗を冷やしながら神鍋山を下り、道の駅神鍋高原まで歩きます。その後は、神鍋溶岩流の滝巡りへ向かいます。周辺にはペンションなど宿泊施設や温泉施設もあり、泊まりがけでのんびりと夏の神鍋高原を過ごすのもよいかもしれません。

麓にある「道の駅神鍋高原」。周辺にはペンションなど宿泊施設や温泉施設も揃っている。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 神鍋高原 |
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所在地 | 兵庫県豊岡市日高町 |
問い合わせ先 | 0796-45-0800 | 日高神鍋観光協会 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://hidaka.kannabe.info/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/神鍋高原 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022822-d7256603-Reviews-Mt_Kannabe-Toyooka_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
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