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谷汲山華厳寺 谷汲山華厳寺

谷汲山華厳寺

たにぐみさんけごんじ □岐阜県揖斐郡揖斐川町
公式HPwikipediaトリップアドバイザー食べログ西国三十三所
オススメ度

西国三十三所巡礼の三十三番、満願の寺。

谷汲山華厳寺

ある時ふと思い立って始めた、西国三十三所の観音霊場巡礼。スタートは奈良の長谷寺でした。それからちょうど4年。コロナ禍でなかなか巡れない時期もありましたが、この第33番札所、谷汲山華厳寺で満願達成となりました。きっかけが身近な人の旅立ちであったので、全てやり終えたこの日、胸の内には込み上げるものがありました。様々な名刹を参拝するにつれ、それぞれの霊場の建築や仏像、寺宝に接してきました。またそこにある歴史、そして人々の信仰心に触れてきました。時代を超えてつながる日本人の心、美意識、先祖を敬う気持ちが肌で感じられて、また自分自身の中にもそのような質のものがあるのを感じられて、とても有意義な巡礼でした。私はこれからも、そういうものを大切にしていきたいのです。
また参拝のたびに、新しい土地の風土や景色、美食に出会うことも出来ました。それもまた西国三十三所巡礼の醍醐味です。何にも代えがたい、素晴らしい4年間の旅路でした。

四季も美しい、798年創建の古刹。

谷汲山華厳寺

その大団円が、33ヶ所目の谷汲山華厳寺。32ヶ所を巡ったあと、最後に「谷汲さん」と呼び親しまれるこのお寺で締めくくるのが慣例です。結願・満願のお寺として知られ、各地から参拝客が集まります。駐車場にも近畿圏ナンバーの車が多いです。
岐阜県にあるということで、三十三所のうち唯一近畿地方以外にあります。798年創建の古刹で、桜や紅葉など四季折々の自然も美しいお寺です。今回は新緑の燃えるような緑が印象的な、5月の訪問です。

昔ながらの、日本の観光地の面影。

谷汲山華厳寺

大きな駐車場から境内の入口である仁王門まで、数百mの参道が伸びています。桜やモミジの並木道で、両脇には昭和の香りが漂う商店が並びます。観光名所なので土産物屋や飲食店が多いですが、仏具や石を売るお店も点在します。またハイシーズンだというのに人影は少なめで、もう閉業してしまったお店も多く見かけました。昭和のいつの頃かで、この場所の時間は止まってしまったかのようです。しかしそれは逆に時代に流されて変にかぶれてしまわない、昔ながらの日本の観光地の良さを見るようでもあります。

御朱印帳に、最後の御朱印をいただく。

谷汲山華厳寺

仁王門をくぐってからも、石畳の参道がまっすぐ伸びています。相変わらず美しい緑が参道の両側に続きます。やがて石段があり、左右に諸堂が建ち並びます。上りきった正面に本堂があり、念願だった満願達成のお参りをします。本堂は大きく、明治時代に再建されたものですが堂々たる風格があります。ここで御朱印帳に最後の御朱印をいただきます。華厳寺では他と違って、3つの御朱印をいただきます。本堂(観音堂)、満願堂、笈摺堂の三堂の御朱印であり、それぞれ現世・過去世・未来世を意味するそうです。私の実家ではお盆に御詠歌をあげますが、谷汲さんだけは3首あることを思い出しました。

裏手にある、笈摺堂と満願堂にも。

谷汲山華厳寺

本堂にお参りしたあと、裏手にある笈摺堂と満願堂にもお参りをします。満願堂は本堂よりさらに高台にあり、華厳寺の境内と美濃の山々を見下ろす眺望が魅力的です。そして最後に本堂へ戻り、正面左右の柱に打ち付けられている青銅製の鯉を触ります。これで精進落ちとなり、長かった巡礼の旅路が終わります。特別な感慨とともに、多くの人によってツルツルに輝く鯉を撫でました。
また、本堂の裏手には「苔の水地蔵尊」というお地蔵さんがあります。すぐ手前には水が入った鉢と、紙のお札が。このお札を水に濡らしお地蔵さんに貼るのですが、自分の身体で治したい箇所と同じところに貼れば効力があるのだそう。もちろんお札を気になる場所に貼ったのですが、後から思えばもう1枚貼ればよかったと思ったり(笑)。いずれにせよ、由緒ある華厳寺の力を信じたいです。

巡礼を終えた者だけが、味わえる喜び。

谷汲山華厳寺

ちなみに華厳寺の本尊は十一面観音立像で、かなり厳格に秘仏として崇められてらいます。前回は2009年に2週間のみ、54年ぶりの開帳だったそうです。また笈摺堂の隣にある子安堂は安産祈願と子供の健康祈願のお堂。願い事を書いたよだれかけがたくさん奉納されていて、この日も若いカップルが数組参拝していました。
さてこうして満願を果たした今、万感の想いにふけっていますが、周囲にも同じような方々がたくさんいることに気付きます。私はごく普通サイズの御朱印帳ですが、周りにはアルバムくらい大きな御朱印帳、あるいは人の背丈ほどある巻き物の御朱印帳を持った方も。全ての御朱印を集め、しみじみと眺めている人もいます。ある意味、巡礼を終えた者だけが味わえる喜びや達成感が本堂のあたりで充満し、飛び跳ねているような雰囲気があります。それは今までの32の観音霊場にはなかった、独特の雰囲気でもあります。この谷汲山華厳寺が、やはり特別なお寺であることを思い知らされます。この日境内に降り注いでいた初夏の太陽と同じように朗らかな気持ちで、仁王門を出て参道を歩き出しました。

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アクセスマップ

詳細情報

名称 谷汲山華厳寺
所在地 岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲徳積23
問い合わせ先 0585-55-2020 | 揖斐川町観光プラザ
休業日 -
料金 -
駐車場 有料駐車場
公式サイト http://www.kegonji.or.jp/
wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/華厳寺
食べログ -
トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1121193-d3782401-Reviews-Tanigumisan_Kegonji_Temple-Ibigawa_cho_Ibi_gun_Gifu_Prefecture_Tokai_Chubu.html
LAST VISIT 202205                         

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