丸三中華そば・和歌山ラーメン

和歌山ラーメンの真髄を感じさせる、超人気店。

市街地の外れにもかかわらず、絶え間なく続く人の行列と車の行列が、その人気を物語っています。駐車場に入りきれない車列が道路脇へ続き、その最後尾に並んで期待を膨らませます。一台また一台と近づき、ようやく車を停めることができると、次は店内から店外まで続く人の行列に並びます。ただしそこからは回転は割と早めで、特にストレスなく席に着くことができました。
この和歌山ラーメンの超人気店は、丸三中華そば。メニューは基本的には中華そばのみ。他にはチャーシューが多目に入る「特製」、それと和歌山ラーメンの外せない名脇役たち、なれ寿司100円、巻き寿司100円、ゆで卵50円。テーブルの上に律儀に並べられたなれ寿司を手に取り、ひと口ふた口食べていると、丸三の中華そばが到着します。

これぞ和歌山という、醤油とんこつスープ。

まずはスープを。和歌山ラーメンの王道を直球でグイグイ攻めたような、これぞ和歌山という醤油とんこつ。他店に比べるとこってり感はやや少なく、とても飲みやすい感じのするスープです。それでも全国的に見るとその濃厚さはやはり和歌山ラーメンならではで、食べてみると見た目以上にあっさりしていること、そしてその味の向こうに奥深いコクが隠れていることは特筆ものです。
具はチャーシュー、シナチク、かまぼこ、多めのネギといった和歌山ラーメンの定番。自家製のチャーシューは濃い目の味付けでアクセントになっていて美味。それらを絡めとる麺は、小麦の味がしっかり感じられる中細のストレート麺。どろっとまとわり付くようなスープとの相性がたまりません。

テレビと新聞を忙しく場面転換、親父談義。

混雑のため、テーブルは相席。向かいにはスポーツ新聞を片手に競馬を語り合う、サンダル履きのおじさん二人組。店内のテレビに映し出されるのは、ちょうど地元の智弁和歌山、夏の甲子園の3回戦。テレビと新聞を忙しく場面転換、親父談義を楽しみながらラーメンをすすっています。なるほど、地元の方にも絶大な人気、いやもはや日常として愛されているような店内の雰囲気。もちろん観光客が大半なのですが、そんな肩肘張らないゆるい空気感も、丸三の美味しさを支えているのかもしれません。

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