スパワールド

さすが大阪、的な巨大温泉テーマパーク。

新今宮。大阪の中でも独特の顔を持つ街に、1997年に鳴り物入りで誕生した巨大温泉テーマパーク。隣接するのが天王寺動物園、天王寺公園、新世界、ジャンジャン横丁、通天閣といったこてこてに大阪的エリア。そんな街中に湧いた温泉を、世界11ヵ国の観光地や温泉地を模した空間で楽しむという、温泉歓楽街の端っこに30年くらい前に建てられてそうな、古典的といえば古典的な発想の施設です。でもあなどるなかれ、巨大であるがゆえに徹底的に追求された娯楽性は目を見張るばかり。「世界の温泉」というキャッチフレーズを見事に具現化した設備やサービスは、リピーターの心をしっかり掴んで離さない渾身の仕上がりです。

大袈裟に再現した、「いかにもテーマパーク感」が良し。

photo_by_DickThomasJohnson_CC_BY-SA_2.0_from_flickr.com

大きくはヨーロッパゾーン、アジアゾーンのふたつに別れていて、月ごとに男湯・女湯に振り分けられます。ヨーロッパゾーンには古代ローマ風呂をはじめ、アトランティス、フィンランド、ギリシャ、スペインといったテーマの様々な浴槽があります。一方アジアゾーンにはバリ、インド、ペルシャといった諸国の風呂や、総檜風呂や日本渓流露天風呂といった純和風の浴槽も備えています。どれもちゃんと凝った造りだし、それにディズニーランドやUSJがそうであるように、なんとなく大袈裟に再現したような「いかにもテーマパーク感」がほんのり感じられるのも、逆に楽しい気分にさせてくれます。

大阪の最もディープな場所にふさわしい、ごった煮的なまとめ方。

それだけではなく、流水やウォータースライダーもある温水プール、さらにはサウナ、スポーツジム、エステ、岩盤浴、飲食店、宴会場、ホテルまで、ありとあらゆる楽しみ方ができてしまうという、まさに飲んで遊んで浸かって寝てしまうという贅沢満喫テーマパーク。なんでもかんでも放り込んでやれ、なんて感じではなかったんでしょうけれど、ごった煮的なまとめ方はさすが大阪の最もディープな場所にそびえるだけあります。他の追随を許さない、温泉にかけては全国的にもピカ一のエンターテイメントではないでしょうか。
ちなみにビルの中をジェットコースターが走るという奇想天外な娯楽施設として同時期にオープンしたのが、同じ建物内にあったフェスティバルゲート。残念ながらこちらの業績は全く振るわず、多額の負債を抱えて倒産してしまいましたが、スパワールドは熱さ変わらず、今日もたくさんのお客さんを湯気の中に吸い込んでいます。

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