イノブータン王国

ちょっと不思議な動物、イノブタのふるさと。

太平洋の雄大な海原を眺めながら爽快なドライブが楽しめる国道42号線。特に和歌山南西部のすさみ町のあたりになると、沿岸の岩礁の表情も変化に富んでいて、荒々しい景色に旅心が揺さぶられます。リアス式の険しい入江が続き、背後には紀伊山地の山々が間近に迫る風光明媚な一帯。豊かな自然が打ち寄せる波とぶつかり壮大な景色を作り出しています。
そんなすさみ町にある道の駅・すさみ。それと隣接しているのがイノブータン王国です。猪を父に、豚を母にもつイノブタという魔可不思議な動物がいて、その色々を紹介している施設です。敷地は小さくて、30分もあれば見てまわることができるので、道の駅に立ち寄りついでに訪れてみるくらいがちょうどいいかもしれません。

イノブタはどちらかといえば、ほぼ猪の姿。

イノブータン王国にある展示資料などを見ると、イノブタはどちらかといえばほぼ猪の姿。褐色で剛毛の体毛に被われ、体型も猪のように瓜みたいな形をしています。雄のイノブタには立派な牙も。ここでは1970年代にイノブタが産み出された経過やその振興に向けた活動が紹介されているほか、グッズや地元の物産なども販売されています。
ライガーとかラバなんていう動物もいますが、種の違う動物同士の掛け合わせって、なんだか少し心情的に違和感を感じていまいます。当の本人は自分の素性を知ってか知らぬか、涼しい顔をして餌を食んだりしているんですが、運命を弄ばれた彼らの顔はちょっと悲しい表情のように見えてしまいます。毎年恒例というイノブタダービーなどのイベント時には、その愛らしい姿を見ることができますが、そんなのを見るといつかこの子たちも本当の意味で浮かばれる世界が来ればなと、複雑な気持ちで願うものです。

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