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太山寺 太山寺

太山寺

たいさんじ □兵庫県神戸市
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知る人ぞ知る、歴史と国宝を誇る名刹。

太山寺

太山寺は神戸イメージの海からは遠く離れた内陸部、周囲を山々に囲まれた場所に位置する古刹です。神戸市内で唯一の国宝建築があり、その他にも多数の国重要文化財を有するお寺。なのにあまり有名ではない、隠れた名刹なのです。神戸市の西部にあるニュータウン、学園都市から北へ丘を降りて、のどかな田園風景が広がる交差点を右折、奥に見える山へ向かって車を走らせます。なかなか車でないと行きにくい場所にあります。

道路脇に突然現れる、太山寺仁王門。

太山寺

県道を東へ走ると、突然道路脇に古い仁王門が現れます。これが太山寺の山門です。重要文化財に指定されている貴重なもので、室町時代中期の再建です。高さは8mありますが、周囲の木立が生い茂って隠れています。しかしこの場所に移築されるまではさらに上部にもう一層あったそうです。その時の軒下の組み木は、今も仁王門に保存展示されています。そして仁王門の左側は車も通れる道路が続いています。その道を仁王門を越えて進むと、予想もしていなかった太山寺の世界が広がっていました。

山間に忽然と現れた、荘厳で静かな別世界。

太山寺

仁王門より向こうは石畳が敷かれ、少し行けば白壁の塀が続いています。まるでタイムスリップで別世界に来たかのような、独特の世界観があります。山間に忽然と現れた、荘厳で静かな世界。道の脇に「照千一隅」と刻まれた石碑が建っています。比叡山延暦寺で見た碑文を思い出します。太山寺は天台宗の寺院のようです。石畳の両脇には龍象院、成就院、安養院といった塔頭が並んでいます。安養院の庭園は国指定の名勝でもある名園です。それぞれ中に入ることは出来ませんでしかだ、それでもこの石畳の道にまで滲み出している厳かな雰囲気を感じることができます。

国宝の本堂は、威厳と風格に満ちて。

太山寺

最も奥に石段があり、上がったところが太山寺の境内になります。朱塗りが鮮やかな中門を抜け、横の小屋で入山料を支払って進みます。もうこの時には正面に国宝の本堂が見えています。本堂は鎌倉時代に再建されたもので、石段の上に幅は約21m、奥行きも約18mあるかなり大きなお堂です。屋根は銅板で葺かれています。8本の褪せた朱塗りの柱と、その間を埋める蔀戸には格子が組み込まれて見事。中央は開放されていて、自由に中に入ることができます。内部にはまた格子戸があり、今自分がいる外陣と、その向こう側の内陣に分けられています。つまり人間側と仏様側。内陣の厨子には本尊の薬師如来が収められていて、こちらは完全秘仏で見ることはできません。本堂内は光を取り込む箇所も3箇所のみで、音と明るさの両面で静寂に包まれています。

緑に包まれた境内に、諸堂が並ぶ。

太山寺

太山寺の見どころはまだまだあります。本堂の右手前にある三重塔、こちらは1688年に建立されたもので、内部に大日如来坐像を安置しています。境内のいたるところから見え、緑に囲まれた姿が印象的です。また三重塔と時を同じくして再建された阿弥陀堂も見ごたえがあります。重要文化財である阿弥陀如来坐像を安置し、渡り廊下を持つ独特の建築にも魅力があります。他にも護摩堂、羅漢堂、釈迦堂といったいずれも江戸時代再建の諸堂が建ち並びます。太山寺ではどの堂宇も周囲を緑に包まれるように佇んでいます。訪ねた時は深緑に染まる境内に、あちらでは瓦屋根が緑から顔を出し、こちらでは緑の隙間から側面を覗かせています。季節によってまた表情を変えるであろう、風趣に満ちた境内です。

森に埋もれるようにして、奥の院。

太山寺

本堂の右手には川が流れており、赤い欄干が目を引く閼伽井橋が架かっています。それを渡ったところにあるのが太山寺の奥の院。稲荷舎・地蔵堂という2堂が森に埋もれるようにして佇みます。ここには江戸時代初期の陽明学者である熊沢蕃山が、幕府により幽閉された建物がかつてあったそうです。しかしながらこの奥の院、ほとんど手入れがされていないようで、草むした上に季節がら虫だらけ。そして蜘蛛の巣が至る所で絡んできます。さらに半袖短パンだった私は何箇所も蚊に刺されてしまいました。。半ば逃げるようにして閼伽井橋を戻って本堂側へ。夏場はちょっと勇気がいるかもしれません。

まさかこんな場所で、大寺に出会うとは。

太山寺

太山寺は大化の改新で知られる藤原鎌足の孫、藤原宇合によって716年に建立されたといいます。それから1300年。その歴史を証明する多数の宝物も時代を超えて受け継いできました。多くの絵画や経典や武具があり、国指定の重要文化財も10点以上を所蔵しています。それらは各地の博物館などに寄託されているそうですが、太山寺の歴史と繁栄を物語っています。しかしそれは訪ねるだけでも十分に感じられます。広大な寺域、麓から見える三重塔、壮大な本堂。まさかこんな場所で大寺に出会うとは。その驚きをぜひ、体験してほしいと思います。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称 太山寺
所在地 兵庫県神戸市西区伊川谷町前開224
問い合わせ先 078-976-6658 | 太山寺
休業日 -
料金 拝観料:300円
駐車場 無料駐車場
公式サイト http://do-main.co.jp/taisanji/
wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/太山寺_(神戸市)
食べログ -
トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298562-d7161151-Reviews-Taisanji_Temple-Kobe_Hyogo_Prefecture_Kinki.html
LAST VISIT 202208                         

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