仁田峠循環自動車道路

普賢岳の威容を、間近で展望できるスカイライン。

島原半島に到着したのは前日の夜半だったため、朝になって宿から出た時、夜の闇だと思っていたところにどっしりと雲仙普賢岳がそびえていたのには驚きました。すぐに普賢岳に向かう道を走り、やがて仁田峠循環道路に入りました。
仁田峠循環道路は全長約8.2km、そして全線一方通行というドライブウェイです。地図で見ると見落としそうな細い道で、道幅は広くても1.5車線。さらに急カーブや坂道の連続で運転も忙しいですが、対向車が来ないので気分的にはゆったり走れます。

自然の偉大さを、まざまざと見せつけられる光景。

国道57号線を折れ、森に囲まれた坂道を登ってゆきます。曲がりくねった一本道はやがて高度をぐんぐんと上げてゆき、時折木々の合間から下に望む有明海、そして勇壮な普賢岳は徐々に近づいて大きく見えるようになります。
展望台は2箇所に設けられています。初めに現れるのが第二展望所。道の脇に数台分の駐車場、その横に小高い丘があり、階段を上って突然広がる大パノラマは圧巻です。山裾から上昇気流に乗ってガスがどんどんと立ち昇ってきてやや見晴らしは悪かったものの、巨大な活火山である普賢岳を間近に見ることができます。あの火砕流の跡や、流れていった集落、そして静かな有明海も。山頂付近からは今も水蒸気が立ち上ぼり、自然の偉大さをまざまざと見せつけられる光景です。

圧倒的な存在感をもって、そびえ立つ普賢岳。

戻ることのできないこの道をさらに進むと、第一展望所の仁田峠に到着します。標高は1080m。夏でも乾いた風が心地よい空気です。ここには広い駐車場や売店、そして普賢岳のすぐ隣にある妙見岳に登るロープウェーもあり、多くの観光客で賑わいます。5月頃にはミヤマキリシマの群生が鮮やかなピンク色の絨毯を広げ、また秋の紅葉には山全体が七色に色づき、季節ごとに姿を変える美しい自然も見逃せません。
もちろんそれらを全て従えるように、圧倒的な存在感をもってそびえ立つ普賢岳。巨岩の造形物のような平成新山もつぶさに見え、あらためて大地は生きていることを実感させられます。

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